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労働時間管理(法的手法・能率向上)


 
中小企業から名だたる大企業まで、「残業代(時間外労働手当)不払い」について、過去にさかのぼって巨額の支払を余儀なくされた、という報道が相次いでいるのはご存知かと思います。
 経営の立場からすると、「“時間”に対して賃金を支払うのは納得できない」「結果として仕事が遅い者に残業代を支払うことになるのは不公平」「人件費の低いアジア諸国の製品と競争しているので、人件費を抑えざるを得ない」「基本給や賞与の中に残業代も含めているつもり」といった言い分もあると思います。それはそれで理解できます。

 しかしながら、労働時間に対する賃金の支払、時間外労働手当の支払を義務付けている我が国の労働基準法は、実態に合っているか否かの議論はありますが、現在のところ厳然として存在します。
 そして時間外労働手当の不払いにつき、労働者が労働基準監督署に訴える、あるいは監督署が自発的に検査して発見する、といった事件は増加傾向にあります。
 時間外労働手当の不払いについては、刑事罰もありますので、さかのぼって支払えば済む、という問題ではありません。また、違法な長時間労働で心身の健康を損ねた、と損害賠償請求される可能性もあります。経営の立場からすると、違法な状態を続けることは、経営上、大きなリスクを負うことになります。
 また、経営側が法律を守っていないのに、労働者に対しては事業所のルールを守れ、と指導するのは辛いことです。

 もしこのようなリスクを回避し、かつ人件費の高騰をある程度抑えたい、と考えるのであれば、当事務所は、2つの視点からの解決策をご提案します。

 1つは、法的手法、つまり労働基準法上の労働時間に関するいくつかの規定を有効に活用することです。
 「みなし労働時間制」「裁量労働時間制」「フレックスタイム」「変形労働時間制」などについてはお聞きかと思いますが、要件が厳しい、手続きが面倒、といった声もあります。しかし合法的に時間外手当を抑えようとするなら、これらの制度の活用は有力な選択肢になります。
 とりわけ、変形労働時間制は時季的な業務の繁閑がある業界・職種にお奨めできます。閑散期には労働時間を短くできるという点で、自分の時間を確保したいと思う労働者には歓迎もされるでしょう。要件もそれほど厳しくはありません。

 もう1つは、業務自体を見直して、同じ成果を上げるのに必要な労働時間を短縮することです。
 特に競争の激しい製造業の世界では、「IE」「作業改善」「動作研究」「能率向上」「ムダ取り」「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)」等々の活動が行われてきており、それが日本の製造業を支える力の一つになってきたとも言われます。
 これら能率向上等の手法は、労働時間短縮の手段としては、製造業に限らずあらゆる業界・職種に応用できます。
 また、このように業務の改善を進めようとする活動自体が、労働者の創意工夫を生み出し、労使が協調して経営力を向上しようとする風土を醸成することになります。「提案制度」「QC活動(サークル)」等々は、そうした側面が強いものです。

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